左の2枚の写真を見てください。
両方とも岩井山(足利市岩井町)付近の写真です。
昭和22年の写真に見られるようにカスリーン台風が起こる頃は、岩井山と集落(家の集まり)が近く、土手によって区切られているだけでした。
そのため、カスリーン台風では土手が切れ、すぐに濁流が民家をおそってしまいました。
そこで当時、二度とこのような大惨事を起こさないために研究が足利市や大学などで進められました。
問題は…
かたい岩でできた岩井山によって、川の流れが、急カーブになってしまう。そのため、渡良瀬川の水が台風などで多くなってしまうと、逃げ場を失いあふれてしまうということでした。
その問題を解決するために、大学からひとつの案が出ました。
それは、岩井山を爆発させてしまい、渡良瀬川の流れをまっすぐにしようというものでした。
しかし、岩井山には多くの貴重な植物・動物がいます。
その生き物を大切に思い、今のように川から土手の間を広くしたといわれています。
岩井山に行く橋の西側に、「渡良瀬川と共に」と書かれた石碑とモニュメント、お地蔵様が静かに渡良瀬川を見守ってくれています。二度と同じような水害をおこさないためにも、そしてカスリーン台風を忘れないためにも、通りかかった折りには、手をあわせてみてはいかがでしょうか?
この日も、お地蔵様の前には、たくさんのお花がありました。
写真提供
国土交通省 関東地方整備局 渡良瀬川河川事務所